日曜日

二日酔い。

年々二日酔いの症状が重くなるようになってきてしまって、最近はもう、明日のこと気にしないで飲むのなんて一年に一回、夏のスタジオライブのときだけになりました。今年も飲んだぞ。気持ちわりー。

今年は昼過ぎの屋上でひとりで演奏。馬鹿暑いしそんなにみんな観に来ないだろ、と思って、気分が落ち込まないように目を瞑って演奏していました。そしたら、曲終わりのジャンッ!の後、期待よりだいぶ大きな拍手が聞こえて、おお!?と見渡したら結構たくさんの人が暑さ堪えて楽しんでくれていました。ありがたいなあ。

ツーステージ目、サポートメンバーとしてベースを演奏。高校の軽音部のときの感じを思い出します。演奏めちゃくちゃなんだけど、ワーッと盛り上がって、嬉しいし、楽しい、けど、練習通りにやれないのがちょっと悔しくて、みたいな。

これで良いのかな。よく分かんない。

 

メインのバンドの方の活動はもう、このバンドを続けて行くことだけが大事だなって自分の中で結論が出てるから、仕事や生活との兼ね合いで色々大変なことはあるけど、全然迷いはないです。

それは、楽しければ良い、ってのともまた違うんだよな。楽しいだけのことは続かないから。

逆に、昨日打ち上げの席に乱入してきて、「お前は売れてない」とか「俺はアルバムを出した」とか言っていた人もいたけど、そういうことでもないんだよな。

 

みんな色々な理由でバンドをやってる。

ただ楽しみたい人も、売れたい人も、とにかく続けて行きたい人もいて、それによってバイトしつつバンドに専念するとか、サラリーマンしながら週末だけバンドやるとか、色々あるけど、音楽やってる以上、結局は、音が自分の心に響けば、それだけで心が通わせられる。

あのスタジオライブは、そういう理想郷を体現しているような気がして、だから一年に一回、嬉しくて羽目外しちゃうんですね……。

水曜日

月末。残業が増えて、帰路はぼけぼけです。

乗換え駅で降りそびれ。これはよくやります。

今日はさらにぼけぼけ。イヤホンを鞄から取り出そうとして、なんでか鍵を取り出してしまう。ジャラリという音を聞いて、やっと間違えたことに気が付く。情けないです。

ううう。待ってろ週末。

水曜日

毎日耐え難く眠いです。

暁を覚えぬ春眠なのか、ただの寝不足か。

 

嬉しいこととショックなことが偶然ほぼ同時に起きて、どういう気持ちになったら良いのか分からず、部屋で一人思考停止。

誰かを頼ろうかと思ったけど、尚更情けなくなる気がしてテレビをつけました。

月曜日

4月に異動した職場の椅子が、明らかに身体に合っていません。たぶん自室の敷布団も合っていません。

腰が砕けそうに痛いです。常時痛い。

腰砕けが原因で僕がしんだら、誰が笑ってくれて、誰が泣いてくれるんでしょうか。

火曜日

10日振りの仕事。

相変わらずの感じです。

 

休み明けによくある会話。

「焼けましたね。どこか行ったんですか?」

「いえ、元から色黒です」

誰も僕の顔色なんてちゃんと見ちゃいないのよ。

 

残業は30分。

いきなり飛ばし過ぎても良くないな、とか自分の中で適当に理由を付けて、早めに仕事を切り上げました。先月入会して一度も行っていなかったスポーツジムに行き、温水プールで平泳ぎ。泳ぐのなんて何年振り?

いきなり飛ばし過ぎて脚を痛めました。だから言ったじゃん、あーあ。

木曜日

気付いたらあっという間に隣駅まで来ていました。

線路沿いの道は真っ直ぐだし車通りも少ないから、稚拙なスケボー技術でもびゅんびゅん飛ばせてしまったのです。

疲れたから駐車場で休憩。もう電車で帰ろうかな、と思ったけれど、手ぶらで出てしまったから電車賃が無い。ああ、急に寂しくなります。

少年時代、ハックルベリー・フィンに憧れて街を冒険して、いつの間にか知らないところまで来てしまっていることに気が付いた、その瞬間の気持ちが、急激に鮮明に、蘇ります。おれは今、少年だ。弱くて、ちっぽけだ。夜の街はがらんとして、昼より世界が広い感じがして、自分が小さくなったように錯覚させる。

とか自惚れたフレーズを考えつつ、よし来た道を戻るか、と駐車場の車止めから腰を上げると、ちょうどチャリに乗ったポリ公が二人、のろのろとやって来て、こちらをジロジロと見てきます。なんだよ、おれ別に何も悪いことしてねえよ。

だけどまあ確かに、オマワリサン、じゃなくて、ポリ公、って呼びたくなる、そういう作用があるよな、スケボー。そういうところだよな、ジロジロ見られるのは。

土曜日

もやもやもやもやしながら、狂ったように自慰ばかりしている一週間をすごして、どうにかしないと、どうにかしないと、って思って、それで昨日の夜ふと思い立って、今日スケボーを買いました。

一人で、路地で練習したり、団地で練習したり。団地はジジイに怒られて追い出されましたけど。

 

頭の中では、友達が、僕と出会うより昔に作った大名曲がずっと流れていて。

乗れないスケボーまたがって  俺たち馬鹿ばっかりやった

ぼんくら連中昼下がり(日が暮れて)  なんだかちょっとさみしいね

 

不恰好なフォームで滑りながら、夜は近所の銭湯に行って、夜風で髪を乾かして。

コンビニで缶チューハイとポテチ。

もうこれで、僕の人生は全て十分なんじゃないか。

ちっぽけでちっぽけで、他人に迷惑かけてばかりで、何にも何にもできない僕には、これくらいの幸せがちょうど良いんだって。卑屈とか自虐とかじゃなくて、心の底からそう思えます。

 

何年も前から、心の隅っこにずっと引っかかっている言葉があります。当時、確かまだ今のバンドを組みたててで、メンバーもちゃんと定まってなかったとき、唯一最初から今現在まで一緒にやってくれているメンバーが、多分、飲み会の二次会に行かないための言い訳を、ちょっとそれっぽく言っただけだったんだと思います。

足りないくらいでちょうど良いんだよ、って。

ああ、僕にはずっとそれができなくて。もっと、もっともっともっと!って思ってしまって、それで他人に迷惑かけたり、後悔したり。

 

それで、今日。

せっかくの友達からのライブの誘いは無下に断って誰にも会ってないし、近所に二つある銭湯のうち水風呂がある方は人通りが多い道にあるから(スケボーの技術無きゆえに)諦めたけど。今日はまじで、足りないくらいでちょうど良かったです。